【解説】明治時代の酒蔵

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ここで紹介している一連の絵画は、成田山へ奉納するために、浮世絵師の豊原国周が明治14年に描いたものである。国周は清酒「万両」の醸造元である鈴木家(現在の埼玉県岩槻市の鈴木酒造)に滞在し、酒造りの様子を間近に見ながら描いたという。明治初期の酒造りが絹地に詳細に生き生きと描かれた肉筆画で、歴史的資料としても大変貴重なものである。現在は機械化されている部分も多いが、すべてが手作業で行われていた時代の酒造りの知恵や大変さが伝わってくる。

本展示の画像は、現在鈴木酒造の資料館で展示されているパネルを撮影したもので、パネル自体は30年ほど前に成田山に保存されていた奉納画を写真撮影して引き伸ばしたものである。全部で16枚ある絵の中には痛みの激しいものもあり、ここでは保存状態の良い10枚を選んで展示している。全て見たい方はぜひ鈴木酒造の資料館へ足を運んでほしい。

作品の説明は、鈴木酒造の資料館でパネルとともに展示されている古市明紀氏の解説を参考にさせていただいた。

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