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勧進大相撲八景酒盛ノ図 猪名皮・鏡岩・小柳・音羽山・常山
浮世絵にはお酒を飲む女性たちの姿も多く描かれている。19世紀の江戸では瀬戸産の磁器が流通し、飲酒の場でも鉄銚子と塗盃に代わり徳利と猪口が使われるようになった。右の女性の前には、袴(はかま)と呼ばれる器に据えた燗徳利が描かれている。中央の女性の前に置かれているのは盃を洗うための盃洗だが、当時は猪口を浮かべて楽しむことも流行していた。大皿には赤身の刺身が盛られている。真ん中にろうそくが灯り、画面上部に墨のぼかしが入っていることから、夜、桜を楽しみながらの一席のようだ。
絵師:歌川国貞
出版年月:江戸末期(1800年代半ば)
公益財団法人 白鹿記念酒造博物館所蔵
https://sake-museum.jp