國酒には、「日本の国を代表する菌(國菌)」とされている「麹菌」を米等に生やした「麹」が使われています。麹菌は、和食に不可欠の味噌や醤油にも用いられており、日本の食文化を形成する重要な菌です。國酒と呼ばれる日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりんは、日本特有の麹文化の所産であり、世界に誇る伝統民族酒なのです。
國酒デジタルミュージアムは、
日本の人々が日々の暮らしの中で親しんできた
國酒の歴史文化的側面を紹介することを目的としたオンラインミュージアムです。
What is Kokushu?
世界にはその土地を代表するお酒がたくさんあります。
日本では、古より日本酒、本格焼酎、泡盛、本みりんが
それぞれの気候風土に合った地域で造られ、
人々に親しまれてきました。
この4種類のお酒の総称として使われているのが、
「日本を代表するお酒」という意味の「國酒」です。
國酒には、「日本の国を代表する菌(國菌)」とされている「麹菌」を米等に生やした「麹」が使われています。麹菌は、和食に不可欠の味噌や醤油にも用いられており、日本の食文化を形成する重要な菌です。國酒と呼ばれる日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりんは、日本特有の麹文化の所産であり、世界に誇る伝統民族酒なのです。
國酒の歴史は長く、米麹を用いて日本酒を造る技術は1300年以上前に遡るとされています。その後、奈良時代には朝廷、平安〜室町時代の寺院を中心とした酒造りを経て醸造技術が確立し、民間でも広く造られるようになりました。
一方で、焼酎の蒸留技術は、14~15世紀頃に中国や東南アジアの国々との交易を通じて琉球王国にもたらされ泡盛が生まれました。蒸留技術はその後程なくして琉球から薩摩に伝わり、日本酒の醸造技術と組み合わさって南九州に焼酎が広がったと言われています。
焼酎の登場で生まれのが、本みりんです。蒸したもち米と米麹を焼酎と共に仕込む本みりんは、現在でこそ主に調味料として使われているものの、戦国時代から近代までは甘いお酒として飲用されていました。
Our Mission
日本の人々が長い間日々の暮らしの中で親しんできた國酒は、
日本文化を知る上で欠かせない存在となっています。
國酒デジタルミュージアムは、
そうした國酒の歴史文化的側面を紹介することを目的としています。
國酒が日本の人々の暮らしの中で担ってきた役割は、
季節ごとの行事や神事に加えて、
本ミュージアムで展示している浮世絵や広告ポスター、
映画や漫画などに垣間見ることができます。
日常の何気ない一コマにも目を向けることで、
日本人と國酒とのより深い関係性に触れていただけることでしょう。
また、國酒は、各地の気候風土に合わせて発展し、
親しまれてきました。
こうした國酒の多様性は、地域の祭りや原材料となる農産物をテーマとした展示、
地域の酒蔵や酒造りを紹介する動画を通して、
より身近に感じていただけることと思います。
最後に、伝統的な酒造りを記録した動画の数々は、
長い時間をかけて培われてきた醸造・蒸留技術の
貴重な歴史的資料集として次世代へ引き継いでいく。
これもまた、本ミュージアムのミッションのひとつです。
國酒デジタルミュージアムを通して、國酒の魅力を発見、
再発見していただけることを心から願っております。
米と米麹を醸して造る日本特有の醸造酒。アルコール度数は15度前後。12℃〜40℃でそのまま飲むのが一般的。
米麹を使って酒を醸す技術は1300年以上前に遡り、以来、日本酒は日本人と共にあり、儀式や祝宴に加え、日常的に親しまれている。日本酒は日本酒を嗜む食文化に加え、演劇、文学、絵画などにも多くの取り上げられてきた。また、酒蔵や酒造りに使われる器具なども貴重な文化財となっている。
詳しくは日本酒造組合中央会の公式サイトをご参照ください。
本格焼酎および泡盛は、麹で原料を醸した後蒸留した日本独自の蒸留酒。アルコール度数は20度〜40度。ストレート、ロック、もしくは他の飲料と割って飲む。
原料は米、麦、芋、黒糖、酒粕など地域により異なる。また、泡盛は黒こうじを用いた沖縄特産の焼酎を指す。蒸留技術は、14〜15世紀頃に中国や東南アジアとの交易を通じて琉球王国にもたらされ、その後、琉球から薩摩に伝わったとされる。
詳しくは日本酒造組合中央会の公式サイトをご参照ください。
本みりんとは、もち米、米麹、乙類焼酎(米焼酎)を原料として造られる、アルコール度数14度前後の酒類のこと。
現在は調味料としての用途が主流となっているが、戦国時代から近代までは甘いお酒として飲用もされていた。日本で造り始めたのは、原材料である焼酎の登場した16世紀頃とされ、16世紀末には「味醂酎(ミリンチュウ)」の記録が残っている。